舞台「イムリ」

ああ~好きな舞台だった…。いつまで経っても書き終わらないので一旦まとめる。俳優座に住みたい人生だった。
何回か観たけどいつも啓貴くんがデュルクを演じてるなんて途中ですっぽり抜け落ちてしまう。俳優座に住みたい人生だった(二回目)

最近はずっとキラキラした舞台に行ってたから久々の感覚だったというか。そういう人こそ衝撃を受けたのではないかと思う。
客席に入るとステージに吊るされたランプ。灯りが揺らいでいて完全に異空間だった。垂れ幕が影でちゃんと柱のように見える!セットというセットは他にはほない。階段状の段差しかない。

イムリはもちろん原作へのリスペクトはあるのだけど、キャラクターやエピソードを完全に再現するといったことは行われていない。行われていないというよりそこに重きを置いていないと言ったほうが正しいかもしれない。
それが顕著なのはやはり主人公デュルクで、原作ではその心の優しさと甘さから踏み切れないシーンが多い気がするんだけど、舞台では逃げに近い描写が多いように思えた。
いや原作にある心理を突き詰めるとそれで間違ってないんだけど、強調されたというよりむしろそこに特化した描写だから余計そう感じる。希望を見出だしたら絶望をつきつけられ決意をしたら絶望をつきつけられ…。
でもちゃんと心の優しさを感じるシーン(ドープとのやりとりとかミューバと再会したシーンとか)もあるんだよね。
母ピアジュも原作より強い母親で、原作ではどこか無気力な感じもあり(そうなる事情があるのだが)死を選択するのが残された最後の力、最後の強さ。舞台では凛とした強さがずっとある。
ミューバは原作でも双子のデュルク思いの純粋な子なんだけど、舞台では削られてた攻撃性の予兆はあるし、こんなに着飾れるイムリ~のくだりとか思想がカーマ民族的。

デュルク最初の台詞、あまりにもふわふわしすぎて初見では正直ドキリとしたんだけど、ちゃんとスイッチがあって一安心。
先にも書いたのだけど、舞台上で話が進めば進むほど主人公デュルクを誰が演じてるかなんて気にならなくなってその感覚がおもしろかった。
演技は周りに支えられてる部分も確かに多いけど、後半でラルドに訴えかけるシーンは本当に素晴らしかった。あと技術的に長台詞のリズムを掴んだんだろうなという回があって不思議ですね舞台って。
イムリの街を探索するためにポンチョに着替えたデュルクが出てくるシーン、急にめちゃくちゃかっこよく見えるんだけど、それがデュルクの本来の姿だからなんだなと今更気づいた。その時点ではまだイムリとはわかってないし何ならすぐ酔っぱらいになるんだけどw
デュルクをやっている啓貴くんが観れてよかったし何よりこの舞台を観れて良かった。そして次に舞台で演じる啓貴くんを観られる日が楽しみだ。
それでも、クライマックスからエンディングまでの呼吸すら忘れそうになるあの感覚はもう、なかなか味わえないだろうな。舞台ってすごい!

同じ氷帝だったさっちゃんに感じる玄人感って言い方も変だけど…笑 最年少にしてあの落ち着き様はやっぱり踏んでる場数の多さだろうなあ。
デュルクが銃を落としてしまってそれをとても自然に拾ってラルドに渡す機転ときたら。
落としたデュルクに直接渡すのではなく、ラルドに渡したのがストーリー的に鮮やかに見えるから素晴らしい。銃を持つことを拒んでいたデュルクにラルドがもう一度しっかり握らせる。アクシデントなのに深みが増すじゃないですか…。
これ前楽の出来事なんだけど私、楽は観れてないから前楽からの演出とかではないよね?配信観ないと。
あと随所から感じる素晴らしい身のこなし!デュルクを庇って撃たれるシーンでの跳ね方とか宇宙船のダンスシーンとか。
このダンスシーン、最初観たときはシュールだな!?と思ったんだけどシュールに感じた原因の半分は初見でデュルクのダンスを観てたからかもしれない。
イマク観ても上手くてシュール感じなかったからな。Twitterで稽古中にもいじられてたのもなんかわかるカチコチさ…wあの時のデュルクはあれでいい気がする。

原作でも用語や設定は一回では頭に入りにくいんだけど、舞台は流れや台詞で説明している。セットがないので場面もわかるようにはなっているんだけど…ただどうしてもそれがスッと入ってくるかと言うのは別の話だからなあ。
やっぱり二回以上観る人か原作読んで用語が頭に入ってる人が一番おもしろいとは思う。
あと原作のあのシーンが大好き!みたいなのがあるとガンガン削られているからちょっと衝撃かもしれない。私も以前このブログに書いたくらい原作を好きにはなったんだけど、舞台化が決まったことをきっかけに読んだ人間なのでそこまで気にならなかったかな。

そういえば初見では突然のガヴィドタイムに驚いたのに二回目でもう慣れたからこれが人間の適応力か…?と思った。大勢の衣装替えのためとは言えあのシーンを任せられるって本当に大変なことだと思いますよ…。

音楽がとても良いなと思っていたら演出末原さんのお父様が担当されていた。音楽をまた聴きたいなあという思いもあってDVD予約してきました。冬発売とのかとで生執事始まるあたりかなあ。
思いがけずこの公演で生執事のフライヤーももらえて嬉しかったです。

なるせさんが続編…って話をしてたけど今回のラストが、薄暗いのに舞台としての完結のさせ方として好きだった。続編ありきなんてしゃらくせえ!って勢いで省いてるエピソードや改変もあるように思えたし、どちらかと言えば、だけど私は続編より再演が観たい。ただひたすらにあのラストシーンが好きだから。
ももちろん続編が決まっても嬉しいし絶対に観に行く。三宅先生が続編が観たいとつぶやいていたので何かしらあるといいなあ。

まだ色々書きたいけど一旦ここで。配信もあるのでまた書こうかな。いい意味で冷静に観れそうな気がする。